パンプスのお手入れ方法をご紹介します。
今回紹介する手入れを行い、足元を綺麗に保ち美しく街を歩きましょう。
この記事は主に「スエード・ヌバック素材」についてですが、婦人靴に使われる素材は豊富です。
エナメルのお手入れに関しても紹介してますので、合わせてご覧ください。
スエード・ヌバックのパンプスの手入れ方法
スエード・ヌバックパンプスの特徴
スエード、ベロア、ヌバックの違い
「スエード」は皮革の裏面をサンドペーパーなどで起毛させた素材です。
エナメルは夏素材でスエードは冬素材というイメージを持っている人もいるかと思いますが、スエードはオールシーズン使われています。ここ数年で年々夏のスエード靴が増えている印象。
オールシーズン使われていると言いましたが、同じスエードでも色に違いがあって、春夏にはライトグレーやオレンジなど薄いや明るい色を、秋冬にはボルドーやブラックなど濃い色が使われることが多いです。
「ベロア」はスエードより毛足が長いものを言います。主に成牛を使っているようです。起毛させた織物のこともベロアと呼びます。ベロアは温かい雰囲気なので、冬シーズンのアイテムの使われることが多いです。
「ヌバック」は皮革の表面(銀面)を起毛させた素材で、スエードよりも毛足は短くなります。また春夏用のアイテムに使われることが多く、カラーヌバックというような鮮やかな色の展開が多いです。
春夏にヌバックが使われる理由としては、スエードより軽い雰囲気で、スムースより柔らかい雰囲気のアイテムなので、春夏のプライベートの靴として活躍しやすい素材だからです。
スエード素材のメリット
1つ目は
強い雰囲気のエナメル、カッチリした雰囲気のスムースと比べ柔らかい雰囲気なのでプライベート用で使用しやすいところ。
2つ目は
これを聞くと驚く方も多いかと思いますが、防水スプレーをしっかりかけるとスムースより強い防水効果を発揮するところもメリット。ただし、防水靴として使うなら濃い色にしましょう。流石に明るい色は汚れます。
ただし、ヌバックは毛足が短いのでスエード程の防水効果はないのでご注意を。
3つ目は
傷が付きにくいところもメリットです。もともと起毛されているので、傷になりにくいです。
スエード素材のデメリット
1つ目は
汚れを落としにくいところです。スエード用の消しゴムなどで簡単な汚れは落とせますが、頑固な汚れはなかなか落とせません。また、こすりすぎると素材が荒れてしまうので注意が必要です。
水洗いという手段もありますが、するならば黒などの濃い色のみにしましょう。明るい色はリスキーです。
2つ目は
色焼けを起こしやすいところ。光の当たらないところで保管するのをおすすめします。
スエード・ヌバックパンプスの手入れ方法
スエード素材は手入れが難しいと思う方が多いですが、手入れはすごく簡単です。
使う道具
- 馬毛のブラシ(柔らかめのブラシ)
- 防水スプレー
- スエード用保革スプレー
【馬毛のブラシ(柔らかめのブラシ)】
表面のホコリや汚れを搔き出すために必要。
レディースで使われているスエードは「山羊革」を使うことが多いです。牛革のスエードよりきめ細かく柔らかいので、硬めのブラシを使うと毛がたくさん抜けてしまいます。
そのため、ソフトな馬毛のブラシがおすすめです。
【防水スプレー】
汚れを落としにくいスエードには防水スプレーをかけることが重要です。
使うか使わないかでは、汚れ具合が変わってくるので綺麗に保つためにはマストで使ってください。
スエード用の防水スプレー「スエード カラーフレッシュ」がおすすめ。私もずっとこのスプレーを使っています。
【スエード用保革スプレー】
皮革の栄養は油脂です。クリームはスエードには濡れないので、スプレータイプのこちらの「栄養ミスト」をかけて革に栄養を補給しましょう。
また、油分が加わると色彩が濃くなるので、色焼け・色抜けしたスエード靴にかけると良いです。
お手入れ方法
【①馬毛のブラシで表面のホコリや汚れを落とす】
【②スエード用保革スプレーをかけて、栄養を与えます。】
【③仕上げに防水スプレーをかけて、革をコーティングしましょう。】
これで汚れはもちろん、多少の雨にも耐えてくれます。
仮に汚れてしまったら、ブラシで汚れを搔き出しましょう。防水スプレーをかけているとブラシだけでも十分ケアできます。
それでも落ちなければ軽くスエード用の消しゴムでこすってみてください。
最後にカカトのゴムの部分つまりトップリフトが削れて変形して残っていたら、ハサミで切ってリフトを整えましょう。
中敷の手入れで見違える
パンプスの手入れで一番重要なのは「中敷き」だと思っています。
パンプスは革の面積が小さい分、中敷が目立ちます。
中敷もデザインの一つとしての要素が強い為、アッパーと同系色だったり明るい色が多いのでより汚れは目立ちます。
パンプスを脱いで中敷が見えたとき、汚れているとマイナスイメージなので気をつけましょう。
お手入れ方法
革用のクリーナーやアルコールを柔らかい布を使って、汚れを拭き取りましょう。中敷部分ならウエットティッシュでもいいです。
汚れがひどいときや、擦れてしまっているときは靴の修理屋さんで中敷の張替えをお願いしましょう。
修理屋さんではなく購入した店舗に持っていくと、オリジナルの中敷に修理できるブランドも多いです。
履き方で汚れ具合が変わる
中敷を汚れにくくするには、素足で履かずに「ストッキング」などを履くのがおすすめです。
素足だと足の皮脂が中敷に付着してしまいます。これによって汚れがつき、臭いの原因にもなるので気をつけましょう。
素足で履きたい方は、中敷の手入れをこまめに行いましょう。
スエードのパンプスの洗い方?
汚れてしまった時に水洗いをしてしまおうと考える人もいると思います。
結論から言うと、水洗いはおすすめできません。
水洗いをおすすめできない理由
【アウトソールがはがれる可能性があるから】
パンプスの作り方はセメント製法と言われ、接着剤を使用してアウトソールを取り付けています。
水洗いをすることにより接着がはがれてしまう恐れがあります。
仮にはがれてしまったら、修理屋で取り付けを頼まなければなりません。
修理屋では接着面を丁寧に慣らし、圧着機を使用して接着をしています。なので自身で市販の接着剤だけで行おうとしても上手く接着できません。
靴へのダメージが大きく、修理にも余計な手間がかかるので水洗いは避けましょう。
【色落ちしてしまうから】
スエードは水に濡れることで色落ちしやすいです。
黒やブラウンであれば補色スプレーなどで補色できるのですが、婦人靴は特殊な色も多いので同じ色に戻すのは難しいです。
また、色落ちだけでなく色ムラも起こりやすいのでケアが難しいです。
汚れが落ちないからどうしても水洗いをしたい場合
【①タオルを水に浸して、アッパー全体を濡らす】
これでアウトソールのはがれのリスクを無くせます。
【②全体をティッシュで覆う】
水洗いによる色ムラを抑える手法です。
ティッシュによって色や汚れが革全体に均一に広がるため、色ムラが起こりにくくなります。
【③補色スプレーで補色】
黒や茶は間違いなく販売していますが、特殊な色のスプレーはありません。
なので淡い色のスエードであれば濃い色にリカラーしてしまうのも一つの手です。
最後に
靴の手入れをしっかりしている人は美しい
男性も女性も靴を手入れして綺麗にしている方は、美しいと思います。
靴は地面に近い為必ず汚れてしまうアイテムだからこそ、綺麗にしているとその人の美意識を感じます。
この記事を見ている方は、そんな美意識のある方のはず。これからも自分なりの「美意識」を追求して美しく街を歩きましょう。
世の中の女性の足元がより綺麗になりますように。
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