4年ほど愛用しているジャランスリワヤの色が飽きてきたので、染め替えを行ってみました。
「ブラウン系」→「ネイビー」の染め替えでした。
一番苦労したところは、革の継ぎ目部分にうまく色が入らなかったところです。
恐らく、初めてやる方は同じような点で引っかかると思うので、苦労したところやコツをお伝えしていこうと思います。
染め直し!リカラー!パティーヌ!自分で革靴を染め替えてみた
染め替えに使用した道具
染め替えを行うに当たって用意したのはこちらです。
(教えていただいたシューコンシェルジュ星さんありがとうございました。)
- アセトン
- 水性染料(ローパスバチック)
- 仕上げ剤(艶消レザーフィックス)
- 平筆
- マスキングテープ
- 手袋
- マスク
- メラミンスポンジ
【アセトン】
脱色をする際に使用します。樹脂、水分、油分を落とします。
つまりワックス、クリーム、仕上げ剤、顔料と革の表面のに塗られている物を落としてくれます。
アセトンはマニキュアを落とす際の除光液の主成分で、マニキュアは樹脂と顔料が主成分なんだそうです。
【水性染料】
染料は革に浸透して着色してくれるもの(溶剤に溶けるもの)。顔料は表面に塗って着色してくれるもの(溶剤に溶けないもの)です。
染料は複数の色を組み合わせて、色づくりを楽しめます。
こんな記事を見つけましたが、バチックでもスピランでもそんなに使用感に違いは無いのでこだわらなくていいと思います。
【仕上げ剤】
着色を行った後に、色落ちを防ぐ為・艶を出すために使用します。
樹脂が入っているので、革の表面をコーティングしてくれるイメージです。
今回使用したのが「艶消タイプ」でした。艶ありのタイプだと樹脂成分が強すぎて、スムース革の雰囲気を損ねてしまうと伺ったのでこのタイプを使用しました。
この商品はレビューの評価悪いですが、実際は「程よく艶あり」なので、「艶消し」としてはダメですね。。。
【平筆】
染料と仕上げ剤を塗るときに使用。
アッパーとこばの際の部分や革の継ぎ目部分など細部に塗りやすいので、筆を選びました。
スポンジや布を使っても特に問題ないでしょう。
【マスキングテープ】
靴のインナーやシューキーパーへの色移り防止に使用。
百均で買えます。
【手袋】【マスク】
写真にはありませんが、アセトンを使う際にマストです。
手が荒れるのでゴムやビニールの手袋を、揮発性が高く吸い込むと体によくないのでマスクを。
百均で買えます。
【メラミンスポンジ】
脱色をする際に使用します。
今回は部分的に使用しましたが、慣れたら全体的に使ってもいいと思います。そのほうが早く仕上がります。
ただしメラミンスポンジは研磨剤が入っているので、注意深く使う必要があります。
百均で買えます。
染め替えの手順
- マスキングテープを靴の内側、シューキーパー、(コバ)に貼る
- アセトンを布に取って脱色
- 染料を筆で塗る
- 仕上げ剤を塗る
- オイル、デリクリ、色クリームで靴磨き
①マスキングテープを靴の内側、シューキーパー、(コバ)に貼る
②アセトンを布に取って脱色
案外顔料がうまく落とせなくて、2時間くらい時間がかかりました。。。
徐々にコツがつかめてきましたが、革が湿る程度に一度に多めのアセトンを取っていいと思います。揮発性が高くすぐに乾くので、少量だとなかなか顔料などを溶かしてくれません。
おしぼりに使うような薄めのタオル地の物を使用しました。アセトンをたくさん吸ってくれるので、厚めの布で正解だったと思います。
こんな感じに革の元の色が出てきて、艶が消えるまで行いましょう。
また、手で触って見ると表面がツルツルからサラサラに変わるので、触ると違いが分かりやすいでしょう。
- アセトンは多めに使って大丈夫
- 革の表面の艶がなくなるまで落とす
③染料を筆で塗る
染料を筆で取り塗っていきます。(染料を入れる容器は飲み物のキャップを使いました。)
一度塗っただけだと色の入りが甘いので、重ね塗りします。4〜5回くらい塗りました。
このとき、ネイビーだとイエローを下地に使ったりとか、ブラウンだと薄いブラウンから徐々に濃くしていくとか、
薄い色から重ねていくと綺麗に仕上がると聞きました。。
かかとからつま先に一直線になるように塗っていくと綺麗に仕上がると思います。
アッパーとコバの際の部分や革のつなぎ目部分など、細かい部分もしっかり筆を入れましょう。
【パンチング部分の補色】
アッパーに使用したものに寄せて水性染料のペンを使い黒く塗っていきました。
- 重ね塗りをする
- かかとからつま先に向けて塗る
- アッパーとコバの際の部分もしっかり塗る
④仕上げ剤を塗る
染料を塗り乾いたら、仕上げ剤を塗ります。先ほどと同じ筆を使い塗っていきました。
染料を塗った時のようにかかとからつま先に向かって均等になるように塗っていきます。
塗り終わったら20〜30分乾かしましょう。仕上げ剤後はこのように艶が出て色が均等になった気がします。
- 染料が乾いてから塗る
- かかとからつま先に向けて均一に塗る
- 塗ったら20〜30分乾かす
⑤オイル、デリクリ、色クリームで靴磨き
いつも通りの靴磨きをしたら終了。(アセトンで油分が取られているので、油分補給が大事だと思います。)
こんな感じに仕上がりました!!
が、うまく色が乗ってない部分がありました、油性クリームで多少どうにかなるかなと思っていましたがダメでした。
基本の手順は以上でいいのですが以下で補足をします。
うまく色が乗らない!
アッパーとコバの際や、革の継ぎ目部分にうまく色が乗りませんでした。
原因は脱色の時に、細かい部分が疎かになっていたからです。
部分的にしかも細かい部分の脱色をするために、メラミンスポンジを使用しました。
アセトンを含ませて擦っていきます。
- アッパーとコバの間、革の継ぎ目部分もしっかり脱色
- 細かい部分や、落ちにくい部分をメラミンスポンジを活用
再度、「染色」「仕上げ剤」「靴磨き」をしたら終了!!
完成!!
コバを黒くする予定でしたが、茶色のままでも気に入ったのでこのままで!
靴紐はダークブラウンかネイビーの平紐にしようかな。
染め替えのまとめ
- アセトンは多めに使って大丈夫
- 革の表面の艶がなくなるまで落とす
- アッパーとコバの間、革の継ぎ目部分もしっかり脱色
- 細かい部分や、落ちにくい部分をメラミンスポンジを活用
- 重ね塗りをする
- かかとからつま先に向けて塗る
- アッパーとコバの際の部分もしっかり塗る
- 染料が乾いてから塗る
- かかとからつま先に向けて均一に塗る
- 塗ったら20〜30分乾かす
どの程度まで脱色すればいいのかわかったので、メラミンスポンジうまく使いこなせば時間も短縮できると思います。
今回は染料を単色で塗って、油性の色クリームで仕上げたので、次回は染料ならではのムラ感のある染め替えをしてみようと思います。
専門店で染め替えを依頼したのでその模様も是非ご覧ください!
コメント
コメント一覧 (2件)
たまたま同じ靴を同じネイビーにしたくて記事背景しました。
写真を見る限り黒く見えますが、実際のお色はどんな感じでしょうか?
また、その後トラブルなどは起きていませんか?
参考にさせていただきたいです。
コメントありがとうございます!返信遅くなり申し訳ありません。
その後数回しか履いていませんが、特にトラブルはありません。ワックスもしっかり乗りました。
ただ、光に当たると色の落としムラが若干あるので、しっかりめにアセトンで落とした方が良いと思います。
色は確かに濃いネイビーです。
「紺」という色を使いましたが、他の色と混ぜるなりご調整されても良いと思います。