靴磨き職人の方からのおすすめで「宮川刷毛ブラシ製作所」にいってきました。
ブラシは靴磨き、革靴の手入れで必要不可欠なアイテム。
僕は今まで使っていたブラシには特にこだわりは無く東急ハンズで1000円〜2000円で購入したものを使っていました。
靴磨きにハマるにつれて、いいブラシが欲しいなと思うようになり「手植えのブラシ」とやらを一つ購入しようと思い「宮川刷毛ブラシ製作所」に行ったら、
「下町の人情味に触れ、匠の技に魅了され豚毛ブラシを2本買っていた」
宮川刷毛ブラシ制作所とは
東京都台東区浅草にある刷毛(はけ)とブラシのお店。
大正10年(1921年)に初代・宮川庄次郎が現在の場所に創業して、もうすぐ100年という老舗。
亡き宮川彰男は厚生労働大臣より卓越した技能者として表彰され、現在もその技術と魂は代々引き継がれています。
http://edo-hake-brush.com/
さらに故・宮川彰男氏は2003年に東京都知事より東京都伝統工芸士に認定され、同年に東京マイスター優秀技能章を受けたよう。
日本文化の伝統的な技がブラシに注がれているようです!
宮川刷毛ブラシ製作所に行ってみた
東京メトロ銀座線の上野駅の一つ先である「稲荷町」駅から徒歩3分。
老舗の雰囲気漂う「宮川刷毛ブラシ製作所」の看板を見つけました。
ヘアブラシや、掃除用のブラシなど様々な形をしたブラシが店頭にズラーッと並んでいます。
入店すると40、50代くらいの女性が笑顔で迎えてくれました。
革靴用の豚毛ブラシを探していると伝えたところ丁寧に案内をしてくれました。
材質に拘る老舗のプライド
定番の豚毛ブラシ
ブラシに最適な木を探すのが大変らしく、家具屋さんやいろんなツテから木の情報を集めているそう。
このブラシの持ち手は伊豆高原の栗の木を使用していて、実際に自ら現地に出向いて木を見に行ったとおっしゃっていました。
現地で見て、触ってみて使うかどうかを決めるようです。
このいい材質を使おうという姿勢がさすがは伝統ある老舗だなと感動しました!これぞ老舗のプライドです。
限定生産の豚毛ブラシ
このブラシはたまたま昔使っていた材料を見つけて作ったものとおっしゃていました。
豚毛はあぶらを抜かずに植えたもので、コシが強くそれでいて毛が細かい。
つまり毛の密度が高くて上質なブラシなんだそう。
触ってみると確かに油分が含まれている感じがして、毛の密度が高い!!
そんな説明をしてもらっていると、裏の作業場でブラシに毛を植えているお母さんが出てきて手植えの作業を見せてくれました!!
ブラシ作りを愛する職人技
60年ブラシを作り続けているお母さんが
”手植えのブラシ”と”マシンメイドのブラシ”の製法の違いさえ知らなかった僕に手植えの作業を見せてくれました。
”毛を束ねて毛先を揃える→ワイヤーを毛にかけて持ち手の穴に入れ込む”
この作業を続けていくと一つのブラシが出来上がります。
手植えのブラシの毛がぬけない理由はこのワイヤーで引っ掛ける作りだからなんですね。丈夫な作りを目の当たりにしました。
毛を揃えるのと、同じ本数を掴むのが難しいとおっしゃっるお母さん。なんとも細かい作業で、これをスピーディーに正確に植えていく匠の技を見せてくれました。
「他のことはなんでも億劫だけど、これをやっているときは楽しい!」と笑顔でいうお母さんから話を聞いていると、お母さんが作ったブラシが欲しくなりました!
ということで”白い豚毛ブラシ”と”限定生産の黒い豚毛ブラシ”の2つ購入!!
手植えの実演をしてもらえて、人柄に惚れちゃうと買ってしまいますよお母さん!!
使用感
白い毛のブラシは大きめのサイズを選んだためやや大きくて握りにくいところはあるが、
ある程度毛の長さがありつつコシが強く革に素早く艶が出てくれます!
黒い毛のブラシは軽くて手にすごくフィットします。毛に油分が多いためか艶が出るのが早い!
どちらかといえば黒い方が使い心地は良かったです。
匠の技と下町の人情味がつまった「宮川刷毛ブラシ」にぜひ一度行ってみてください!!
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