タピールのレーダーオイルを紹介します。
名前の通りクリームではなくてオイルなので油分補給に使うアイテムで、「革が乾燥して油分を補給したい時」「革を柔らかくしたい時」に使用します。
クリームよりも手っ取り早く保湿・油分補給がしたい方におすすめのアイテムです。
そんなレーダーオイルの成分や具体的な使い方について紹介しますので、購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
「タピール レーダーオイル」の成分やスペック
ガラス瓶のパッケージ
茶色のガラス瓶入っていて、渋い雰囲気のパッケージ。
細長くて倒れやすいので、慎重に扱いましょう。倒れて割れたという声も聞いたことがあります。
天然素材だけを使った製品
タピールは、1983年にドイツ中部ニーダーザクセン州、ハルツ山地にほど近い小さな村に誕生しました。当時学生だったボードーは、小さな悩みを持っていました。それは、靴磨きでした。大切な靴を磨きたいのに、天然素材だけで作られたワックスがなかったのです。いろいろなワックスを試したり、あちこち探してもみました。でもたいていのワックスは、いやなにおいがしたり、石油系の染料が入っていたりしていました。そこでボードーは、友人たちとともに自分達でワックスを作ろうと考えたのです。
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自然とともに歩んできた人間の長い歴史を基礎に、天然素材だけを使った製品を作りはじめたタピールは、今年で21才。今も、原産地が確かなだけでなく、採集・精製もそれぞれに適した方法で行なわれ、そしてまた品質も優れた原料素材を追求しています。
タピール公式サイト
上記のように公式サイトにタピールの始まりや製品のこだわりについて書いてありました。
ざっくり要点をまとめてみました。
- 創設者ボードーさんが学生のころ、石油由来の靴磨き用ワックスしかないのが悩みだった
- 石油系のオイル、染料、有機溶剤を含むワックス等は大量生産には好都合なものの、革の柔軟性をなくしてしまうデメリットがある
- タピール商品は革に優しい天然素材のみで作り、原産地の管理だけでなく採集・精製も適した方法で行われている
タピールの製品は天然素材のみで作られ革に優しいようです。
私が日頃から使っているシューケア品も有機溶剤等が含まれるものがほとんどです。
タピールのように天然素材でできたシューケア品だけで手入れをした革靴はどのように経年変化していくのかとても気になりました。
原材料はオイルと酢
レーダーオイルの原材料はこちら。
- ひまし油
- なたね油
- オレンジテレピンオイル
- 酢
オイルと酢が含まれています。
オイルは革に柔軟性を与え、酢は殺菌効果があります。
酢を使用しているシューケア品はレーダーオイル以外に見たことがなかったのでとても新鮮です。
殺菌効果以外にも何か役割があるのでしょうか?
オイルと酢の割合は、中身を見る限り「オイル 7:酢 3」くらいです。
以下の写真のように分離しています。
酢とオレンジの香り
オレンジと酢の香りで、ツーンの鼻をつくような香りです。
原材料に「オレンジテレピンオイル」と「酢」が含まれるので、これらの香りということでしょう。
「タピール レーダーオイル」の使い方
「油分補給」に使おう
公式サイトやラベルの説明には以下の4つの効果の記載がありました。
- 革のしなやかさを保つ
- 汚れ落とし
- 防水
- 艶出し
ただしオイルが多く含まれる製品のため、油分補給をして「革のしなやかさを保つ」効果を期待して使用するのがおすすめです。
「汚れ落とし」はクリーナー、「防水」は防水スプレー、「艶出し」は靴クリームやワックスと目的に応じたベストなアイテムを使いましょう。
保湿や油分補給としてデリケートクリーム等の保湿クリームを使う方も多いと思いますが、レーダーオイルの方が圧倒的に油分が多く手っ取り早く油分補給ができます。
容器から適量を取るコツ
レーダーオイルを取る時、まず容器をよく振ってオイルと酢を混ぜましょう。
布を口に当てながら逆さまにすると適量が取れます。
適量はこれくらいです。少なすぎると思うかもしれませんが、片足のケアにはこの量を一回で十分です。
使い方1: レザーソールのケア
使い方の一つ目はレザーソールのケアです。
雨に濡れた後など、乾燥してしまったレザーソールに油分を補給して摩耗を防ぎましょう。
- クリーナーで汚れを落とす
- レーダーオイルを塗る
- ペネトレイトブラシの持ち手などで繊維を引き締める
手順1:クリーナーで汚れを落とす
手順2:レーダーオイルを塗る
レーダーオイルを布に取って塗っていきます。全体が湿るくらいまで塗りましょう。
手順3:ペネトレイトブラシの持ち手などで繊維を引き締める
ペネトレイトブラシの持ち手やアビーホーンで擦って繊維を引き締めます。
Before&After
このようにカサカサしていたレザーソールに油分補給され表面がツルツルになりました。
(塗ったばかりなので色が濃くなっていますが、Beforeくらいに薄い色になります)
使い方2:プレメンテナンスや定期的な靴磨き
二つ目は靴磨きの工程ので油分補給をする使い方です。
履き下ろす前と半年〜1年毎を目安に、油分補給をプラスした靴磨きをすることで、革の柔軟性を保ち傷やひび割れを予防できます。
手順はこちらです。
- シューキーパーを入れる
- 馬毛ブラシでホコリを落とす
- クリーナーで汚れ落とし
- レーダーオイルで油分補給
- 豚毛ブラシでクリームを馴染ませる
- 艶出しクリームで補色と艶出し
- 豚毛ブラシでクリームを馴染ませる
- ネル布で乾拭き
レーダーオイルを使う部分を重点的に紹介します。
手順1〜3
1:シューキーパーを入れる
2:馬毛ブラシでホコリを落とす
3:クリーナーで汚れ落とし
通常の靴磨きと同じように、シューキーパーを入れブラシとクリーナーで汚れや古いクリームを落とします。
手順4〜5
4:レーダーオイルで油分補給
5:豚毛ブラシでクリームを馴染ませる
レーダーオイルを布に取って靴全体に伸ばします。
布を瓶の口に当てながら取った量一回分が適量です。
油分が補給されるとこのようにマットな見た目になります。
油分を革に浸透させるため一日置きます。
一日置いたらブラッシングしてオイルを馴染ませます。
オイルが表面に残っているようなら乾拭きで余分なオイルを拭き取ってください。
乾拭きしてもダメならもう一日置きましょう。
ブラッシングと乾拭きをすることで、少し艶が出ました。
手順6〜8
6:艶出しクリームで補色と艶出し
7:豚毛ブラシでクリームを馴染ませる
8:ネル布で乾拭き
レーダーオイルで油分補給ができたら、艶出しクリームを塗って仕上げます。
Before&After
日頃から手入れをしている靴なので見た目に違いは出ませんでしたが、よりしっとりしましたし、爪で引っ掻いてしまった傷も擦って治りました。
使い方3:革を柔らかくしたい時
小指が当たって痛い時、横幅がきつい時など、部分的にレーダーオイルを塗ることで革が柔らかくなります。
塗った後にストレッチャー等で伸ばすとさらに効果があります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
「タピール レーダーオイル」の使用時の注意点
塗りすぎるとくもって艶が出なくなる
レーダーオイルを塗りすぎて油分過多になると、表面がくもってしまいます。
その上から艶出しクリームを塗って磨いても思うように艶が出ないので、レーダーオイルの塗りすぎには注意してください。
塗りすぎたと思ったらすぐに乾拭きをしましょう。
乾拭きが間に合わなかったら、普通に使いながら油分が抜けるのを待ちましょう。
汚れ落としに使うのは油分過多になるリスクが高い
汚れ落としもできるとラベルに記載がありますが、汚れ落としだけを目的に使うと油分過多になってしまうのでこの使い方はおすすめできません。
汚れ落としをしたいのなら、シンプルにクリーナーを使いましょう。
「タピール レーダーオイル」と保湿クリームとの使い分け
革を柔らかくしたり、油分補給をする時に「リッチモイスチャー」や「デリケートクリーム」を使う方も多いと思うので、これらのクリームの使い分けについてまとめます。
乾燥が激しい時は「レーダーオイル」
3つのアイテムの油分の多さの順番はこちらです。
「レーダーオイル>リッチモイスチャー>デリケートクリーム」
油分が多い方が保湿効果が高いので、レーダーオイルが最も保湿効果が高いことになります。
乾燥が激しい革靴にはレーダーオイルを使うことで最も手っ取り早く保湿ができます。
革小物の保湿には「リッチモイスチャー」か「デリケートクリーム」
手に触れる革小物の保湿に使う場合はリッチモイスチャーかデリケートクリームがおすすめです。
理由はこちらの二つです。
- リッチモイスチャーかデリケートクリームの方が仕上がりがサラサラになる
- レーダーオイルは匂いがきつい
レーダーオイルは革靴専用のアイテムではありませんが、独特な匂いがするので塗っても匂いが気にならない靴に使うのがおすすめです。
まとめ
以上、タピールのレーダーオイルを詳しく紹介しました。
レーダーオイルは天然成分だけを使った革に優しい製品で、日頃の靴磨き、レザーソールのケア、革を柔らかくしたい時などの油分補給に使用できます。
クリームよりも手っ取り早く保湿・油分補給がしたい方におすすめのアイテムです。
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